ある時期、美術出版社内ではコンタックスユーザーとニコンユーザーで勢力を二分していた時期がある。ワタシは、ペンタックスとキヤノンを併用していたが、2大勢力のいずれかにくみしたほうがレンズを借りたり何かと便利かなと思い、どちらにするか真剣に悩んでみた。
美術系の撮影では美術館や画廊での作品展示風景を撮影することも多く、レンズに求められるものは「解像力」となる、ペンタックスやキヤノンがけして劣るとは言わないが、ニコンの一部のレンズの恥知らずな解像力はやはり使ってみたいと思わせた。
いっぽうコンタックスといえば、それは精妙なトーン再現が国産レンズをはるかに凌駕し、カラーバランスも絶妙で、当時美術手帖の伊藤編集長から数回167MTを借用し、プラナー系のすばらしい描写力にうなったりもした。
ただ、今も言えることだが、重たいツァィスレンズを生かし切れるボディが少ないのがコンタックスの弱点でもあり、またときおり必要になる自動露出が、たとえばニコンあたりと比べると精度が甘い。とくにストロボを使った自動露出制御に関しては現行のキカイでもけっこうきびしい。
カラーネガ使用を前提にしているのであればそれも許容範囲だが、ポジ(リバーサルフィルム)の場合、内蔵露出計を信用すると致命的なミスを犯すこともあり、くわえてボディの強度も物足りなく、といってRTSIIIを複数台購入するのもつらい。
で、当時はニコンの軍門に下ったわけだが、今あらためて考えてみると、RTSIIIにしとけばよかったかなとも思う。どうやら当時考えられていたよりもはるかに堅牢なキカイだということが、最近幾人かの知人のカメラマンから伝わってきたからだ。ファインダーの作りもいいし。
逆にF4の耐久性のなさにあきれはて、F3Pに逆戻り、それもまた手放して結局F801Sを使っているわけだから、すで耐久性がどうという次元ではなくなっている。
一般にはF3系は耐久性に優れているとされているが、シャッターをのぞけばキヤノンNewF-1のほうが信頼性があるように思える(F3T、F3Pなどチタンカバーのボディは別)。しかしNewF-1の生産中止によって単純に比較もできなくなった。
個人的にはマニュアル機ではペンタックスのLXがかなり満足できる強度を持っていると感じたが、マニュアルレンズの縮小にともない、これもまたオートフォーカスレンズとのバランスの悪さが目立つようになり、結局は手放してしまった。
シャッターの感触ではオリンパスのOM-4もいまだ捨てがたいが、やはり肝心の強度が不足している。ちなみにニコンのFAのシャッターも、感触は最高だが、強度はあまりない。中古を買うときは注意が必要だ。
コンタックスにハナシを戻すと、仕事ではニコンなりキャノンを使うとして、個人的な使用ではツァィスレンズを使いたい欲求が高くなるいっぽうなので、RTSIIIはいずれ何とかするとして、とりあえずワタシもAriaを射程に入れてみようと考えている……早晩ではないけれど。
レンズはもちろんマクロプラナー100ミリ……やっぱり仕事から頭が離れていないか(笑)。