1999年 12月 の記事

材質

ドラマや映画の登場人物がカメラを持っているのも時代の趨勢か。構えがしっかりしているモノは少ない(GTO映画版ほか多数)。さておき、「金属製のカメラは冬冷たい」ってことを最近思い出しつつあったり。極寒の渦中、フィルムが凍ったりするほど低温度になってしまうから、少しでも電池の使うカメラは「ヒーター」つけたりするわけで、樹脂でおおわれたカメラの利便性をやはりありがたいと感じます(F-1よりもT90のほうが低温特性は上ってハナシ)。F3よりF4の優れている点はそこだ。しかし決してドラマに登場することはない。いんちきな回顧信仰は反動であって、保守ではない。関係ありそうだが、iMacのとっ手がとれてしまうのはいやな符合だ。

光を読む

太陽を背中にしょって撮影する順光撮影は、記念撮影(あるいは証拠撮影)的用途ならともかく、立体的に写真撮影することはできないので、できるだけ避けてみよう。完全逆光での撮影はカメラの露出計、そしてレンズの性能によって出来上がりが左右されるので、これも難しい。したがって斜めから光が入る「斜光」条件での撮影に挑戦してみよう。フジカラー「スペリア」のCM中に登場する写真は大いに参考になる。
[追記]
例外的に順光撮影が良い場合もある。コーティングが不十分でフレアが強く出るレンズの場合、逆光撮影は非常に難しい結果となりやすい。斜光においても十全な「遮光」が施されていないと逆光と同じく厳しい。ただ、そのあたりの特性をうまくつかんで撮影することも醍醐味ではある。遠景は斜光でありつつも、近景に大きな影(たとえば樹木の影に自らが入る)を配置するといった工夫も考えられる。

カメラ3

再三取り上げているフォクトレンダーの単体露出計が発売される日だよと思って、上野のヨドバシカメラに行くも残念ながら現物をおがめなくて消沈。財布も軽いのでまあいいかと、そこらにあるカメラをいじくる。
ビギナー向けとされているEOSKissクラスのいくつかを触ったりするわけだけど、どれもミラーショックが少なく、ピントの合焦(ごうしょう)スピードもまずまずで、たいていの場合、露出も合格点をあげられるであろうから、まずすごいことになっているなと考える。
ただ、あいかわらず各種の情報表示の認識、操作のたぐいは大変やりづらい。液晶のほうがコスト的にもいいんだろうが、パッと見て理解できるモノは少ない。ということは、しばらく使わないと操作方法を忘れてしまうということだ。つまるところほとんどの場合がWindwsのインターフェース(そして最近のMacOSも)と同様といえるだろう。
一般に初級機と言われる機種を使う平均的なユーザーは、プログラムモードのオートフォーカスで使用するのだから、フィルムの巻き上げ巻き戻しあたりの動作がわかりやすければそれでいい、みたいなメーカーの考え方が透けて見えるような作りといっては乱暴だろうか。
マニュアルカメラの復興は結局のところ、手動のカメラは何も考えずに使えば全然写真にならないけど、自動のカメラを手動で動かすよりはわかりやすい、こういう選択をしているヒトが増えたということなんだろう。
結局、インターフェースが統一されているのはコンタックスぐらいだ。象徴的だ。

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