「銃夢」ってマンガをもって名声を、「龍河銃夢」のハンドルをめぐって悪名を、高めておとしめた木城ゆきと先生のサイトが休止中。
「龍河氏へのハンドルネーム不使用要求」をめぐる、ことの詳細は検索エンジンで調べればいくらでも出てくるので省略。
編集者というフィルターを通すことのない、作家が「自分の声」を伝達する手段としては「最良」であったコンピュータネットワークが、ここではむしろ逆のベクトルとして働いた。本来は社会を逸脱することによって作家性を保持するというスジにしたがえば、木城先生のこうした課外活動と作品表現は別個に考えるべきだが、昨今の世間はそうさせてはくれない。むしろ作家に公人としての振る舞いを要求する。厳密に言えば作家と作品を同一視する向きならばということだ。
個人的には、「ハンドル」という文法の成立経緯も考慮できなかった木城先生のうかつさを嘲笑してはいたが、不用意この上ない行動によってフォロワーが減少したことが、今後の作家活動に影響しないといいのだがとも考えている。
作家が「良識」をもっていることは担当編集者にとっても、取材をするワタシのような者にも大変ありがたいことだが、やはり大事なのは作品自体であり、そこのところが逆転しているケースも少なくない。
エキセントリックであったことが問題なのではなく、エキセントリックさを許容しない社会にアクセスした行為が誤りだったことを考えておこう。そんなことにかまけているヒマがあったら、作品を作っていたほうがましという心性を大事にしたい。
第一そこいらの御仁と同じメンタリティしか持ちえない作家の「作品」なんて退屈なだけだ。