なかなか同時に持ち出すことができないので、似たような条件で別の日に撮ったカットを元に少しオボエガキ。
リケノン50ミリは何よりピントの良さが武器。コーティングはそれなりなので完全逆光になるとフレアやゴーストもすごいが、解像力はデジタル時代でも色あせないと思う。
SMC-A50ミリは発色とボケの綺麗さがお気に入りだった。トーンの出方も素直。タクマー時代のペンタックスレンズに比べるとMやAレンズの作りはもうひとつ。それでもAレンズはFA同様に絞りもダイヤル制御なので新時代でも使っていける。ただこのレンズを使うと、よりいっそう素晴らしいF1.2の50ミリが欲しくなるから困ったモノだ。


背景が暗いとボケの違いがよくわかる。リケノンは分解能の高いレンズにありがちな2線ボケがくっきり出る。これも許容範囲ではあるが、SMC-Aと比べると見劣りする。
SMC-Aは、Mレンズのような無理な小型化を改めたことで、性能が向上し素晴らしい描写のレンズが多かった。ただ残念ながらそれを受け止めるボディの人気はM時代に劣後し、シェアの減少から出荷本数の少ないレンズが多く、現在中古市場で見かける種類も少ない。


なお、被写界深度の違いはアングルの違い。被写体に平行に向き合わないと画面上でぼける範囲も多くなる。絞り開放で接近撮影となるとなかなか平行に対することが難しくなるが、立体物で良いピントを得るには必要なポイント。この場合リケノンで撮影して少し気になってSMC-Aで再撮した。