カテゴリー : Town

昭和館

地下鉄九段下A2番出口から出て、坂道を少し下った右手にほんの少し奇矯さのあるデザインの建物がある。戦中、戦後の苦しかった時代を風化させないためというお題目で「昭和」の一時期を切り取った「限定」博物館。
もう何度も前を通りすぎ幾年たったか、どうにも入りにくい雰囲気の入り口玄関だ。しかし、館前の掲示板にある「昭和館土曜名画劇場」の告知が数日前から気になっていたこともあり、面白い映像があるかもと、入ってみることにした。
平日の午前中ということもあるだろうが、客はどうやらワタシひとりだけ。とりあえず常設展示を見ようと入館料300円を支払い(自動券売機)、エレベータで7階へ。常設は6階と7階になる。
ここで常設展示の内容をくどくど述べるつもりはない。というのも正直言ってあまり面白くない。この手合いの展示としては物足りない。物品が展示されているだけで、例えば、戦中の建物内部の再現であるとか、もう少し目を惹く大物展示がほしい。江戸東京博物館に遠く及ばないのが残念。
が、しかし目的は「映画」なので、5階の「映像・音響室」へ行ってみる。ここだけを利用する場合は無料。最初からそうすれば良かったか。ともあれ、入り口で利用申し込み(氏名・住所などを記入提出)をし、端末の番号札を受け取り、さっそく検索してみる。
コンピュータはタッチパネル操作でレスポンスも高速。写真画像の閲覧はもとより、館所蔵の映像も短い記録映像(1500件収蔵)の類ならモニタ上で観ることが出来る。MPEG2圧縮なので若干画質は荒いが、元の映像も高画質ではないモノが多いので、こんなものだろう。
商業映画(658本収蔵)に関しては端末で検索後、借り受け票を出力し、受付でVHSビデオを借りることができるようだ(試してはいない)。ワタシは小津作品を探したが、「お茶漬の味」「東京物語」「長屋紳士録」「麥秋」という分かるような分からないようなラインアップ4本がヒットした。探すならビデオ入手が難しい監督作品が狙い目か。
前述の「昭和館土曜名画劇場」(先着100名・入場無料)というのはこれらのライブラリとは別なのか、それとビデオを観賞するモノなのか聞きそびれたが、3月10日には渋谷監督「自由学校」、24日には今井正監督「ここに泉あり」(小林桂樹、岸恵子、岡田英次)が上映されるようだ。「自由学校」は佐分利信、佐田啓二、高峰三枝子、そして笠智衆という小津作品でおなじみの「豪華」キャストで、もしフィルムなら見逃せない。
午後2時上映で、上映の30分前に1階受付で整理券が配られるようだ。並んどくか。

五島プラネタリウム

誇れるほど何度も出向いたわけではないけれど、「ここだけは変わらない」と池波正太郎ばりにうそぶきながら、小学生のころ初めて体験した「星空」の甘美な思い出にひたること数回。残念ながら来年閉館となるようだ。邪(よこしま)な目的を内包した「公共事業関連施設」などより、よほど「公共性」を発揮していたことを考えると、惜しい。惜しいが、渋谷はもう「そういう」街ではない。ホントに残したければ、そういうものを自分で作ればいいだけのことだ。

ネコネコ大行進

ご存じの諸兄には耳タコだが、東京日比谷公園には被写体としてのネコが多く生息している。氷点下を記録するほどの厳冬下でもしぶといぞ、彼(彼女)らは! で、帝国ホテル対面の日比谷公園の入り口に隣接している日比谷花壇(表記が正しいかわからない)裏手に、かなりシャッター音に慣れた3匹の黒猫(まだ中供サイズ)が大行進だ。

イケ面なのは言うまでもなく、古参のネコたちのように「傷アト」もない。かなりチャンスだ。ちなみに黒い被写体が画面の大部分を占めるとき、機種にもよるが、AEが誤作動しやすい。特にポジで撮るなら、補正が必要なことを付け加えておこう(マイナス補正だよ)。

TOP