ストロボのシンクロ
ストロボのシンクロには大まかに「日中シンクロ」と「スローシンクロ」がある。前者は日中明暗差の激しい被写体、たとえば逆光でのポートレートなどで背景の明るさに合わせて被写体の明るさをストロボで調整するシンクロのこと。後者は夜景などの、被写体よりも明らかに暗い背景で撮影するときに背景が暗く落ちすぎないように被写体のストロボ露光を調整する。両者のシンクロは背景が被写体よりも明るいか暗いかで使い分けるモノということになる。平たく言えば日中であっても背景が暗い場合はスローシンクロの範疇になる可能性もあるということだ。
[日中シンクロ]
TTLオートストロボでは、まず絞り優先AEかマニュアルで背景の明るさを測り、シャッタースピードがX接点になるような絞り値を探す。そして、その絞り値より1?2絞り開けて撮影。外光式オートでも絞りが数段階に変更できるモノなら「開いた絞りに合わせてストロボのオートレベルを切り替えれば良い」。


と、書いたが、用意した作例はすべてレンズシャッターカメラのためX接点が存在しない。内蔵ストロボならばほぼ全速同調なので上記の方法を使うことはほとんどない。背景の露出をマニュアルで設定し、ストロボの外光式オートで同じ絞りを選ぶ。マニュアルストロボなら設定した絞りでの調光範囲内の距離から発光させれば結果は同じ。作例では実際の天候よりもかなりアンダー目の露出にしているが、良く晴れた日の逆光ポートレートでは背景の明るさはオーバー目にしたほうが綺麗。特に大口径レンズではボケを活用したい。(この露光状態からカメラ側の絞りを開けていけば背景は明るくボケてくれる)。
[スローシンクロ]
シャッター優先AEかマニュアルで背景を測光し、シャッタースピードを色々変えて、絞りがF5.6?11程度になるようなシャッタースピードでストロボ発光。大ざっぱに言えばスローシャッターでストロボを発光させるのでシャッタースピードによっては背景はぶれる。夜景などでは三脚などが必要。逆に「暗い場所で流し撮りでスローシンクロ」という具合に背景をわざとぶらし被写体だけを浮かび上がらせるという表現もありえる。



左はストロボ非発光。中はマニュアル露出で外光式オートのスローシンクロ。右はプログラムAE+内蔵ストロボでのシンクロ。機械任せでも大きな差はないが、最新の機種以外では背景の明るさによって大ハズレになる可能性もある。



室内でのスローシンクロ。作例左のように室内光の影響で色かぶりがあるとする。中はPhotoshopで色温度を補正したモノ。これで十分な場合もある。右はストロボを発光して被写体のみ色かぶりを除去。調光のさじ加減で室内の雰囲気を残しつつ汚い色かぶりを取る。これは被写体次第でさまざまなパターンが想定される。なおこの作例では室内光と被写体の間に乳白アクリル板を置いてディフューズ(拡散)をしている。
どちらのシンクロも微妙なさじ加減で多様な表現が可能のため、このシチュエーションならばこう、という法則は存在しない。表現意図に合わせて工夫をすることが大事だ。デジタルではトライ&エラーが簡便なので非常にありがたい。