近接撮影について少しオボエガキ
フレクトゴンは確かに寄れる。最短撮影距離の指標は 20cm だが、ヘリコイドはもう少し回るので 15cm 近くまではいくだろうか。フードを装着している場合、被写体への接触を気にしなければならないほどだ。

タムロン SP90mm(52B)はレンズ単体では1/2倍までの倍率なので画面に写し込める領域はフレクトゴンとは大きく変わらない。最短撮影距離は 39cm なので実際にはこちらのほうが撮影はしやすい。また近距離補正が「効いて」いるのでシャープネスも良い。

マイクロニッコール55ミリの場合は焦点距離がタムロンよりも短いが、最短撮影距離が 24cm なのでやはり写し込める領域は似通ったものになる。より大きくきれいにぼけているのはタムロンだが、マイクロニッコールもそれほど悪くない。開放2.8 のマイクロニッコールであれば、ボケ量はもう少し似通うだろう。

寄れる広角として名高い Ai-s 28mm だがヘリコイドはきっちり 20cm なのでフレクトゴンには遠く及ばない。しかし解像は良い。


フレクトゴンは収差の出具合が予想を超えるところに描写の旨味もあるし、難しさもある、といったところか。乱暴な言い方をすればフレクトゴンの寄りとは接写リングやベローズで最短撮影距離を伸ばしている場合と差はなく、中心部の開放ピントはかなり優秀だが総合的な「画質」という点では近接時の収差が少ないマクロレンズに及ばない。「描写」という点で見ると、被写体の素材感によっては面白い感触に仕上がることもあり得るので、優劣はつけられない。